『奇跡の人』感想
『奇跡の人』感想
感想残しておきたい!って思ってたのに、凄い時間が経ってしまった...!!!!
微かな記憶を頼りにつらつらと。
5月末から6月上旬、ちょうど実習が始まったばかりで疲れ切っていた毎日。
とにかく忙しく、上手く行かないことが多くて打ちのめされていた日々の中で観劇した『奇跡の人』は私にたくさん勇気とパワーをくれた。
『奇跡の人』の舞台は2019年以来で、
3年ぶりの充希ちゃんのサリヴァン先生はもっとパワーアップしてて、
スポットライトが当たって「耳が!痛いんですわ、アナグノス先生!」(ニュアンス)って声が聞こえた時にぶわっと鳥肌が立って、気持ちが凄く高ぶってた。
あの一気に物語の世界に引き込まれてしまった感覚がずっと忘れられない。
サリヴァン先生は若くて、熱くて、タフで、泥臭くて、頭の回転も凄く早くて、
エネルギーの塊のようなヘレンと真っ向から対峙していくわけだけど、明るく振る舞う姿に壮絶な過去の生い立ちの影も見えていて。
サリヴァン先生は年上のように感じていたけど、まだ二十歳の女性だったんだよね。
それでも、目の前のヘレンに真っ直ぐ向き合っていく姿がかっこよくて、充希ちゃんのサリヴァン先生はずっと私の憧れだと思う。
あなたのようになりたい、助けになりたい、そして一緒に闘いたい。
そんなふうに思えるサリヴァン先生だった。
ヘレンはもうエネルギーの塊。
初めて舞台で観た平祐奈ちゃんはもうタフそのもの。身体一つでとてつもないパワーを放っていて、サリヴァン先生とのバトル(笑)はもう凄まじかった。
パワーだけじゃなくて、部屋の鍵を隠してしまう時のしめたわって表情とか時々ドキッとするような可愛らしい表情をしていて、小悪魔のようなヘレンだった。
ヘレンは言葉が分からなかった代わりに家族にジェスチャーで意思表示をずっとしていて、すごく賢い子なんだよね。
そして何より、分からない!知りたい!知りたい!って気持ちが凄く伝わってきて、ヘレンのもどかしさとか葛藤が感じられた。
そんな2人が暗闇の中で、手探りで必死にもがいている姿が胸を打つ。
私たちはヘレン・ケラーとアニー・サリヴァンのその後の物語を知っているけど、目の前にいる二人にはまだ暗闇しか見えていない。
特に2幕のテーブルファイトはもう圧巻。
凄まじいバトルなんだけどクスっと笑ってしまう場面もあって、劇場全体の空気が1つになって2人の闘いを見守っている感覚がもう忘れられない。
充希ちゃんと祐奈ちゃんも演じていて凄く生き生きとしていて、楽しそうで。
(改めて思うけど、ほんと2人ともタフすぎて凄い……笑)
舞台の熱量を浴びることが出来て、その感覚が今でもずっと残ってる。
そして、最後の奇跡の瞬間。
見えない壁を何度も何度も2人で叩いて初めて光が差し込んできた時、何度観ても涙が止まらなくなってしまった。
悩んで、苦しんで、そして諦めなかったからこそ起こった奇跡だと思う。
ヘレンやサリヴァン先生は勿論、ヘレンの家族も希望を信じて闘っていた。
ヘレンを愛情深く育ててきたケイトや父への想いや葛藤を抱えていたジェイムズも、家族だからこそぶつかる気持ちに向き合っていて。
全員が諦めなかったから生まれた奇跡だった。
ラストシーンでヘレンに導かれるようにサリヴァン先生がふわっと優しい笑顔になってドアの先を歩いて行ってて。その時の充希ちゃんの表情が凄く綺麗だった。
ヘレンにとってこれが正しいのか、何度も悩んで考えて、真っ直ぐに向き合っていくサリヴァン先生はとても誠実な人で、私もそんな風に人と接したいと思った。
1つの光に向かって向き合うこと、悩むこと、考えること、そして諦めないこと。
『奇跡の人』は私に沢山のことを教えてくれた作品。
ずっとずっと大好きだし、これからもこの物語が続いていってほしいと思う。
そんな作品に出会わせてくれた充希ちゃんにずっと感謝しています!
カーテンコールで、充希ちゃんと祐奈ちゃんがお互いの背中に手を回して歩いていく姿が、ヘレンとサリヴァン先生の関係を思わせるようで素敵だった。
舞台の世界に連れて行ってくれて、本当にありがとうございます。
充希ちゃんのサリヴァン先生が大好きです!
これからも胸が高鳴った時の記憶を少しでも思い出せるように、こんな風に少しでも残せたらいいなって思う。