『ミス・サイゴン』8/12 感想
『ミス・サイゴン』8/12 ソワレ 感想
『ミス・サイゴン』(3回目)
3回目までは正直記憶が薄れてる部分も多いからメモを見ながら書いてるけど、
8/12の高畑キムはタムへのより深い愛が感じられて母性溢れるとても優しいキムだった。
そして、やっぱりクリスが変わるとキムも少しずつ変わっていくなって思う。
海宝クリスはとにかく若い!!!!
現状への苦悩や怒りが伝わってきて、彼もまた戦争に巻き込まれた1人であることが分かる。
キムは幼く守らなければいけない子どもだけど、クリスもまた若者であったんだなって。
緊迫した状況に巻き込まれていく2人を見るのが辛くて、苦しかった。
海宝クリスはキムより年上で優しくリードしていくのだけど、高畑×海宝ペアだと高畑キムが少し大人っぽくみえて、たまに年齢が逆転するようにキムが包み込むような顔をしていて。
クリスもキムを救うことで、逆にキムに救われている部分を強く感じるペアだった。
「世界の終わる夜のように」は凄く煌めいていて、歌というより台詞の力が伝わってきて、「あっ歌ってたな……」ってくらい2人の世界観に入り込んでしまっていた。
夢を見ているような…ってくらい美しくて、綺麗で1番輝いていたと思う。
同じ曲でも相手が変わることで、ここまで伝わり方が異なってくるってほんとに凄いなって思う。そして、クリスによって高畑キムの印象も全然違ってくる。
8/12の高畑キムは1番大人っぽくて、優しくて、タムを包み込む大きな愛が感じられて。
トゥイとの対峙も高畑キムはトゥイを完全に拒絶しているわけではないんだよね。
トゥイに理解して欲しかったのだと思う。
でもそれが叶わないのなら、タムを傷つけるのなら、許すわけにはいかない。
トゥイとのシーンは2人の熱量が凄くて、もうオペラグラスを構えるのがやっとなほど気持ちが強くぶつかるのを感じてた。
そして、「命をあげよう」の凄まじさよ。
歌うのでは無くて、タムだけに言葉を伝えるように歌う歌。タムと目線を合わせてニコッと笑う笑顔が優しくて、綺麗だった。
そして、覚悟を決めた表情で強くタムを抱き締める表情はもう母の顔で。描かれていないキムとタムの3年間の記憶が浮かび上がってくるようで。タムを生んでからも辛いこと、苦しいことが沢山あったと思うけど、少しずつ大きくなる我が子を慈しんで、大きな愛で育ててきたんだなって感じた。描かれていない場面を想像出来るようなお芝居って凄いよね。
歌い終わった後も、タムの頭をずっと優しく撫でているの、、、充希キム……。
1番優しくて、母性に溢れてたキムだった。
松原エレンは凄く大人。クリスが帰った後の拠り所になっていたのがよく分かる。
大人っぽい充希キムだったけど、松原エレンの前ではやっぱり幼くて、エレンがキムの切実な想いをしっかり受け止めていた。
クリスやキムをも包み込むエレンだった。
2回目の駒田エンジニアは1回目よりも怖さがあったような気がする。自分の不遇な生い立ちへの怒りや泥臭さが感じられた。
「アメリカン・ドリーム」はやっぱり夢の世界で、それでも彼なりにしぶとく強かに生きていくのかもしれない。
8/12のキムはタムへの想いが溢れてて、だからこそ決断に迷いがないのが辛かった。
遠くを見つめるような、決意をあらわにした目をしていて、エンジニアの話す声にも耳を傾けていない、聞こえてなかった。
あの時、もうキムは決めたんだね。
ラストシーンもクリスにタムを託すように逝ってしまった。動揺するクリスをあやすかのように両手で包み込むようにしていて、「タムをどうかよろしくね」って頼んでいるようで。
優しくて、柔らかくて、温かいキムだった。
クリスは「キーーーームッッ」と叫んでからもキムの身体にすがるようにしてて。
これまではキムにとってクリスとの出会いが光が差し込んだような瞬間だったと思ったけど、クリスにとっても気づかないうちにキムに救われてた部分が大きかったんだなと思う。
クリスはこれから夢ではないこの現実を抱えて生きていかなければならない。
生きていくのも辛くて、苦しいな。
タムもいつかこの事実を知る時が来るかもしれないと思うとなぜこの結末になってしまうのか、考えるたびに苦しくて辛くて。「キム、どうして……?」と思ってしまうこともあって。
あんなに愛しい子を置いていくなんて、私なら片時も離れたくないなとも思ったりして。
でも8/12に観劇して、
我が子に曇りのない未来を歩かせたい
そして幸せになってほしい
そこに自分がいなくても
そんなキムの想いにほんの少しだけ触れられたような気がした。
私は近くに大切な人はいるけれど、まだまだ自分のことで精一杯だから、自分の全てを捧げられる存在にいつかで出会えるのだろうか。
でも、それでも皆んな大切な人と離ればなれにならない世界でありたいよね。
なんだか月並みな感想に落ち着いてしまった(悔しい)
ほんとに毎公演ごとに色んな登場人物や感情に出会えていたような気がした。
そして、どんどん文字数が増えていく笑笑
次は第4回目!!だ!!!!